ホルムズ海峡が封鎖されると日本はガス欠・ブラックアウト 01.16.2012, latest update 03.25.2012
Blockading Srait of Horumz will bring shortage of oil and gas, and blackout to Japan
原油輸入量の90%が止まる
Oil shortage by 90%
天然ガス輸入量の22%が止まる
Natural gas shortage by 22%
日本はガス欠、ブラックアウト
Blackout will be inevitable without nuclear
すでにポストピークオイル、いつオイルクランチ(原油供給逼迫)が起きてもおかしくない
US has opened Pandra's box of peak oil, and oil crunch will happen
アメリカとイランが、ホルムズ海峡をめぐって「チキンゲーム」をはじめました。アメリカはイランの核開発への制裁として、各国がイランとの原油取引を事実上できなくする法案を通してしまいました。これに対してイランが激しく反発して緊張が高まっています。ホルムズ海峡はペルシャ湾とオマーン湾・インド洋を結ぶ海峡です。
ホルムズ海峡
Strait of Hormuz
出典:ウィキペディアのホルムズ海峡から
2009年の世界全体の石油貿易量は5,293万バレル/日、このうち中東の石油輸出量は1,842万バレル/日(35%)です。そして、中東の石油輸出量の74%がアジア太平洋地域向けです(参考文献1)。ホルムズ海峡が長期間通行不能になると、世界経済に与える打撃ははかり知れないほど大きいです。とくに日本をはじめアジアの石油輸入国にとっては深刻な問題です。
中東から日本に輸入される石油、天然ガス(LNG)、LPガス(LPG)はホルムズ海峡を通ります。ホルムズ海峡を封鎖された場合、日本のエネルギーへの影響はどのくらいでしょうか。簡単な計算をしてみました。
原油輸入量の90%が止まる
下の図は日本の原油の輸入先です。2010年度の総輸入量� ��2億1433万キロリットル、そのうち86.6%を中東に依存しています。イランからの原油輸入は日本の原油輸入の約10%です。
原油の輸入先(中東依存率 86.6%)
Imported oil by Japan, total 214,326,000 kl (2010), 86.6% of imported oil comes from Middle East
出典:エネルギー白書2011(参考文献1)
石油はガソリンやディーゼル油など自動車用、石油化学製品の原料、家庭・業務用、鉱工業、発電、航空燃料などに使われています(本ホームページの「石油の用途」をご覧下さい)。特に輸送・交通に多大な影響が出ます。
天然ガス輸入量の22%が止まる
下の図は日本の天然ガスの輸入先です。2010年度の総輸入量は7,056万トン、そのうち21.9%を中東に依存しています。
天然ガス(LNG)の輸入先(中東依存率 21.9%)
Imported liquefied natural gas by Japan, total 70,560,000 tonnes (2010), 21.9% of imported natural gas comes from Middle East
出典:同上
天然ガスは発電用に6割、都市ガス用に4割使われています。電気が足りなくなるばかりか、家庭用の都市ガスにも不自由します。今でも、原発停止で天然ガスと石油の輸入量が増えています。そのため、日本は2011年に貿易赤字になりました。
LPガスはほとんど手に入らない
下の図は日本のLPガスの輸入先です。LPガスの2010年度の総輸入量は1,252万トン(天然ガスと同じ桁数です、日本は多量のLPGを輸入しています)で、そのうち86.5%を中東に依存しています。
LPガスの輸入先(中東依存率 86.5%)
Imported liquefied petroleum gas by Japan, total 12,560,000 tonnes (2010), 85.6% of imported LP-gas comes from Middle East
出典:同上
LPガス(液化石油ガス)はプロパンガスとブタンガスのことです。家庭・業務用、鉱工業、化学原料、自動車燃料などに使われています。LPガスとして輸入されている以外に、石油精製過程の副産物として国内で生産されています(輸入LPガス:73.7%、石油精製LPガス26.3%)。石油の輸入がほとんど止まってしまい、国内生産分もなくなるので、LPガスはほとんど手に入らなくなります(計算では消費量約1700万トンに対して供給量約210万トンになる)。プロパンガスを使っている家庭は料理ができませんし、お風呂にも入れません。プロパンガスを使っているレストラン、中華料理店、飲食店などは閉店に追い込まれてしまいます。(なお、貿易の統計上は、石油=原油+石油製品です。LPガ� �はナフサなどと共に石油製品に含まれます。)
一次エネルギー供給量は44%に低下
2009年をベースにしてホルムズ海峡が封鎖された場合、日本の一次エネルギー(註)がどのくらい減るかを計算したのが次の表です。原子力が0となり、石油の輸入が90%減り、天然ガスの輸入が22%減るとして計算すると下の表になります。
何は、車の動きを作る
(註)石油、天然ガス、石炭などの多くは、電力などの使いやすい形のエネルギーに転換されます。転換前のエネルギーを一次エネルギー、転換後のエネルギーを二次エネルギーといいます。一次エネルギーとしては、石油、天然ガス、石炭、原子力、水力、地熱などがあります。二次エネルギーとしては、電力、ガソリン、都市ガス、コークス、水素などがあります。
表-1 ホルムズ海峡が封鎖された時の日本の一次エネルギー
If strait of Hormuz is blockaded Japanese primary enegy becomes 43.6% of 2009's
2009年 2009 | ホルムズ海峡封鎖 Blockade Hormuz | ||
石油 Oil | 43 | ×0.1 | 4.3 |
石炭 Coal | 22 | → | 22 |
天然ガス Gas | 17 | ×0.78 | 13.3 |
原子力 Nuclear | 14 | 0 | 0 |
新エネ Renewables | 4 | → | 4 |
合計 Total | 100% | 43.6% |
一次エネルギーは、2009年を基準にすると6割近く減り43.6%になります。なお、2009年のデータの出典はエネルギー白書2011(参考文献1)です。
電力供給は56%に低下
2010年の電力別発電量の構成は下図の通りです。
日本の電源別発電量の構成
Electric power mix in Japan, total 976.3 billion kWh (2010)
出典:エネルギー白書2011(参考文献1)
電力については、表−1と同じ比率で原子力、石油、LNGが減るとすると、原子力:0%、石油0.83%、LNG21.22%相当になります。その結果、電力供給量は2010年の55.8%になります。計画停電どころではなくブラックアウトです(現在、原子力発電所がほとんど止まっているために、資源エネルギー庁の推定では、発電量に占めるLNG火力が40%、石油火力が20%くらいになっています。このため、ホルムズ海峡封鎖の影響は、実際にはもっと大きいです)。
If the strait of Hormuz is blockaded, electlic power supply in Japan decreases to 55.8% of 2010's, which means blackout.
日本は、ホルムズ海峡を封鎖されるとガス欠、ブラックアウトになります。経済的影響は計り知れません。もちろん、日本だけが影響を受ける訳ではありません。アジア諸国が影響を受けます。
安住財務大臣が、イラン制裁への協力を求めに来日したアメリカのガイトナー財務長官に、イランからの原油輸入を計画的に減らすことに同意してしまいましたが、野田首相は「政府としての統一見解ではない」と火消しにやっきです。日本の大臣の発言はずいぶんと軽いものになりました。イランからの原油輸入量は、日本が輸入している原油の約10%ですが、安住財務大臣はどうやってそれを代替する考えなのでしょう。原発を止めてしまっているのに、これ以上、国民と企業をエネルギー不足で苦しめる気なのですか? それでは増� ��どころではないでしょう。
民主党はエネルギー安全保障についても恐ろしくノーテンキです。代替エネルギーを具体的に示せないのに「脱原発」に走ってしまった感覚もそうです。普天間問題、原発事故への誤った対応、原発停止、福島県民の原発難民化、震災復旧の遅れなど、民主党政権のせいで日本の身動きが取れなくなっています。これらの民主党の失政による損害をお金に換算したら大変な額になります。自分たちはメチャクチャなことをやっておいて、国債発行と増税で国民にツケを回すつもりのようです。政治家としての反省からはじめないと国民の信頼は得られません。
なお、日本の石油備蓄は2010年末で国家備蓄113日、民間備蓄85日の計199日分あります(石油連盟の「今日の石油産業2011」から)。LNGの 備蓄は1ヶ月もないでしょう。LPガスの備蓄量は、2011年11月で民間 2,356千トン(75.1日分)、国家備蓄635千トン(20.2日分)、合計2991千トン(95.3日分、たぶん民生用)です(資源エネルギー庁のホームページから)。
アメリカとイランには「チキンゲーム」を続けないで欲しいです。ホルムズ海峡が閉鎖されたら、日本はもとより成長中のアジア経済がガタガタになってしまいます。上のような計算がバカバカしいものとして済んでしまえば本当にありがたいです。
(参考文献1)エネルギー白書2011(資源エネルギー庁)、エネルギー白書2011のURLはここ
(2012/01/19追記)
イランは世界で第5位の産油国、輸出先は中国(22%)、EU(18%)、日本(14%)、インド(13%)、韓国(10%)、トルコ(7%)。イラン原油への依存率の高い中国(イラン産原油への依存率:11%)、インド(同:11%)、トルコ(同:51%)は制裁に加わらない。
数値の出典:NHKニュース、2012/01/19 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120119/k10015377581000.html
それを行う自分の車の洗車ジャクソンビル
(2012/01/24追記)
日本、EU、韓国はどうやって代替の原油を確保するのでしょう? 国際エネルギー機関(IEA)は2006年に世界はピークオイル(本ホームページの「ピークオイルとは」を参照して下さい)に入ったこと、「安い石油の時代は終わった(The age of cheap oil is over)」ことを World Energy Outlook 2010 で述べています。また、サウジアラビアに本当に増産能力があるのかどうか疑問です。サウジが「いつでも増産に応じられる」とコメントするのもいつものことです(本ホームページの「ウィキリークス公電暴露」の記事を参照して下さい)。制裁に加わらない中国、インド、トルコがイラン原油を必要なだけ安く輸入できて得をし、日本、EU、韓国は首を絞められることになりかねません。アメリカも中東から175万バレル/日の原油を輸入しているので、ホルムズ海峡が長期間通行不能になったら困るはずです。
アメリカはエネルギー安全保障の立場から、原油輸入の中東依存率を18%まで減らしました。アメリカは、中東の混乱やイランによるホルムズ海峡封鎖など、中東からの原油の輸入途絶にきちんと備えています。また、サ ウジアラビア最大のガワール油田をはじめ、イラクを除く中東の代表的油田が衰退していることを当然知っています。一方、日本は逆に中東の原油への依存を高めてしまいました。その上脱原発に走っています。エネルギー安全保障の観点からは限りなく劣等生です。
今回のアメリカのイラン制裁は、表向きはイラクへの侵攻の時と同じく核開発問題です。イランが核武装あるいは潜在核能力を持ってしまったら、中東の力関係がが崩れてしまいます。また、アメリカは、中東の石油、とくに多大な犠牲を払って手に入れたイラクの石油をなんの妨げもなく運び出したい、そのためには目の上のたんこぶであるイランを弱体化させたいと考えているかも知れません。しかし、イラク戦争の時のようにアメリカ主体で戦争することはもう できないので、イランから石油を輸入している国も巻き込んでしまえということなのでしょう。アメリカはイランから石油を輸入していませんから、今回の制裁ではアメリカ自身は何の影響も受けません。仮にホルムズ海峡が一時的に通行不能になっても、アメリカは原油の中東依存率が低いので、いざとなればなんとかなるでしょう。
一方、イスラエルは、イランが核開発することはもちろん、原子力開発をすることも潜在核を保有することになるから絶対に許せないときわめて強硬です。また、再選を目指しているオバマ大統領は、選挙資金と票が必要ですから、民主党の強い支持基盤であるユダヤ系アメリカ人の声を無視できません。それでイラン制裁に出たのでしょうけれど、この制裁だけでイスラエルがおとなしく引き下が るとは思えません。
日本の民族系石油会社は、石油を国有化してイギリスと係争関係にあったイランから、思い切った決断をして石油を輸入した歴史があります。日本の民族系石油会社は、メジャーの石油独占支配を打破するために、メジャーから自国の石油資源を取り戻した中東諸国から石油を輸入しました。そうやって中東からの安い石油を手に入れることができたので、日本の高度成長が実現したのです。日本はイランと、(そしてイラクとも、)長い間友好関係を続けて来ました。本当は、アメリカの意向でホイホイとイラン制裁に加わる訳にはいかないのです。石油業界は、今回の安住財務大臣の不用意な記者会見を苦い思いで見ていると思います。安住財務大臣は、あっちのスーパーでも、こっちのスーパーでもとマグロ の刺身が買えるように、石油が簡単に手に入ると思っているのでしょう。でも、そうではありません。石油は戦争の原因になっているように最大の戦略物資です。産油国との間で長い年月にわたって培ってきた信頼関係があるからこそ、石油を安定して手に入れることができるのです。
(2012/01/27追記)
このホームページで述べているように、ピークオイルに入ったのは2005年です。そろそろポストピークオイルに入ろうとしています。原油はすでに足りません。いつオイルクランチ(原油の供給逼迫)が起きてもおかしくない状況にあります。アメリカはイラン制裁で、ポストピークオイルという「パンドラの箱」を開けてしまいました。原油が足らないということが公然化してしまえば、これから先、原油価格の高騰が続き ます。
イランが強気に出て原油輸出停止をしたら、困るのは輸入国側です。最初に困るのはEUです。EUの中でイランから輸入している石油の比重が大きいイタリア、スペイン、ギリシャは困るでしょう。ギリシャ危機がイタリアやスペインに拡大したらEUはどうなるのでしょう。
原発が止まってしまっている日本も非常に困ります。日本の場合は原油ばかりでなく、LNG価格も高騰してしまいます(日本が輸入しているLNG価格は原油価格に連動しています)。日本の貿易赤字がさらに増えます。日本はつるべ落としのように凋落してしまうかも知れません。政治が恐ろしく無能なので、これから先の日本がどうなるのかとても心配です。
これからは、石油、天然ガス、石炭を持てる国が豊かになり、持たざる国は没落します。ロシアがほくそ笑んでいます。エネルギー自給率が4%しかないのに、「原発なしでやっていけるようにしないといけない」とか言っている人が経済産業大臣をやっている国はどうなることでしょう。石油が少しくらい足らなくてもサウジから買えると思っているのでしょうね。日本の政治家は、自分たちが国と国民をどんな状態に引きずり込もうとしているのか判っていないようです。
オバマが選挙に勝つために、在米ユダヤ人の票とお金が欲しくて今回のイラン石油禁輸をやったのだとしたら、世界と私たちを巻き添えにするとんでもない悪行です。
(関連ニュース)上の方が新しいニュース
"何を、誰かエンジニアを作りました"
「戦争終結 イラクの不安」NHK時論公論(2012年03月20日)出川展恒解説委員
「8年9か月に及んだイラク戦争では、アメリカなど多国籍軍の死者がおよそ4800人。イラク人の死者は、正確な数がわかりませんが、12万人以上と見られています。戦争の理由とされた、イラクの大量破壊兵器は、見つかりませんでした。現地で取材した私にとりましても、何人かの仲間や友人を失う辛い体験でした。恐怖政治によって長年イラクを支配したフセイン政権が倒れたのは、開戦からわずか3週間でしたが、そこから先が、地獄でした。」
(Ominoコメント)中東情勢が判りやすいお薦めの解説記事です。
「イラン制裁で試されるサウジの原油生産能力」Financial Times 2012年3月1日付け
「今回の危機により、湾岸諸国の原油の需要が増えることになるだろう」。米ワシントンのコンサルティング会社PFCエナジーのポール・トセッティ氏はこう語る。「クウェートとアラブ首長国連邦(UAE)の生産量は既に上限に近い。そのため、すべてはサウジアラビア次第になる」
サウジの生産能力がIEAの試算ほど大きいのかどうか疑う人もいる。サウジのアリ・ヌアイミ石油鉱物資源相は今年1月のインタビューで、「ほぼ即刻」生産できる原油量は日量1140万〜1180万バレルだと述べていた。
「サウジが過去にそんな量を生産したことがないという単純な理由から、市場にはサウジの数字を疑う人が大勢いる」。ソシエテ・ジェネラルの原油市場調査部門の責任者、マイク・ウィットナー氏(ニューヨーク� ��勤)はこう話す。生産できるかもしれないし、できないかもしれない。結果はそのうち分かるのだろう」
「原油の供給不安:イラン問題は一因に過ぎない」−サウジ頼り市場が直面するさらなる脅威−The Economist 2012年3月1日(木)
[The Economist]北海ブレント原油の価格は8カ月間にわたって1バレル=110ドル前後で安定していたが、この数週間は上昇している。2月20日には2011年5月以来初めて120ドルを突破した。北海ブレント原油価格の200日移動平均線は2008年を上回った(グラフが掲載されている)。
「米国のためにならない戦略石油備蓄の放出」Financial Times 「社説」 2012年2月28日付
米国のガソリン平均価格が1ガロン=4ドルに近づく中、バラク・オバマ大統領がますます石油価格に神経を尖らしているのも無理はない。バマ大統領が検討している選択肢の1つは、米国の戦略石油備蓄(SPR)の活用だ。備蓄されている石油はおよそ7億バレルあり、テキサス州とルイジアナ州の沿岸部にある巨大な岩塩ドームに埋められている。オバマ大統領は民主党の仲間から圧力をかけられているが、備蓄に手をつけない方が賢明だ。
(Ominoコメント)アメリカは戦略石油備蓄が7億バレルあるので強気でいられるのです。しかし、ガソリン価格の高騰は困るでしょう。
「英仏向け原油販売を停止=イラン」時事通信 2012年2月19日(日)22時32分配信
[エルサレム時事]AFP通信によると、イラン石油省は19日、英国とフランスの企業向けの原油販売を停止したと発表した。欧州連合(EU)は1月、核開発を続けるイラン産原油輸入を7月から禁止することで合意した。イランは禁輸が全面的に実施される前に輸出を停止することで、禁輸に消極的な国も含まれるEU側に揺さぶりをかける狙いがあるとみられる。
「イスラエル先制攻撃はあるのか?」NHK時論公論(2012年2月9日)
(Ominoコメント)イスラエルが核兵器を保有しているのは公然の秘密です。イスラエルは、隣国のイラクやシリアの核施設を空爆して破壊した過去があります。イランに核兵器を保有されたらイスラエルに存続の道はない、「今が瀬戸際だ」と考えている ので強硬なのです。アメリカも、そして世界も「道連れにするぞ」ということなのですね。
「イスラエル 今春、イラン攻撃」産経新聞2012年2月4日(土)7時55分
[ワシントン=犬塚陽介]オバマ米政権が、今春にもイスラエルのイラン核施設攻撃が実施される可能性が高いと懸念していることが2日、米メディアの報道で明らかになった。両国が戦闘状態に陥れば、米国関連施設へのイランの報復などで、なし崩し的に米国も戦闘に巻き込まれかねない。米政府は今回の報道を通じて、イスラエルとイランに米国の深刻な懸念と警告を発したとの観測も出ている。この報道は米紙ワシントン・ポスト(電子版)によるもので、「パネッタ米国防長官はイスラエルが4〜6月、イランを攻撃する可能性が高いと信じている」と� ��えた。AP通信によると、パネッタ長官は記者団に、報道内容を肯定も否定もしなかったという。
「韓国、原油の代替輸入には時間必要 対イラン制裁参加に慎重姿勢」2012年01月31日11時17分
[AFP ソウル] 韓国の朴宰完(パク・ジェワン、Bahk Jae-Wan)企画財政相は30日、イラン産原油の輸入削減に伴う代替原油の輸入先確保には、ある程度の時間が必要だとの見方を示した。
「南スーダン 原油輸出を完全停止」NHKニュース2012年1月30日(月)8時40分
アフリカの南スーダンは、パイプラインを通じて輸出している原油が隣国のスーダンによって不当に差し押さえられているとして、原油の輸出を完全に停止したことを明らかにし、両国の間で緊張が高まることが懸念されます。
「イラン、EUへの輸出即時停止も、石油相が警告」共同通信社2012年1月30日(月)7時59分配信
[ テヘラン共同] イランのガセミ石油相は29日の閣議終了後に「われわれは近く、いくつかの国への原油輸出を停止することになるだろう」と述べた。国営イラン通信が伝えた。具体的な国名には言及しなかったが、イラン産原油の輸入禁止を7月1日に完全実施する予定の欧州連合(EU)諸国を念頭に置いた警告とみられる。EUの制裁への対抗措置として、イラン国会のエネルギー委員会はEUに対する原油輸出を直ちに禁止する法案の準備を進めている。EUへの原油輸出が即時に停止されれば、イラン産原油への依存度が高いギリシャやイタリア、スペインに打撃を与えるのは必至。EUの制裁への対抗措置として、イラン国会のエネルギー委員会はEUに対する原油輸出を直ちに禁止する法案の準備を進めている。 EUへの原油輸出が即時に停止されれば、イラン産原油への依存度が高いギリシャやイタリア、スペインに打撃を与えるのは必至。
「イラン 制裁で市民生活に影響」NHKニュース2012年1月30日(月)7時59分
核開発を進めるイランに対して、欧米諸国が新たな制裁を相次いで打ち出すなか、首都テヘランでは急激な物価の上昇や深刻な大気汚染が起きるなど、市民生活への影響が広がっています。
「カザフスタン、世界有数の油田など国有化へ」読売新聞2012年1月27日(金)20時43分配信
[モスクワ=寺口亮一] カザフスタンのナザルバエフ大統領は27日、国民向けの演説で、欧米や日本の企業とカスピ海北部で開発を進める世界有数のカシャガン油田など「重要資産」の国有化を進める� ��針を表明した。程度や時期は不明。来年に生産開始が予定されるカシャガン油田は国際石油開発帝石(INPEX)が7・56%の権益を持っており、影響を受ける可能性がある。大統領は、カシャガンやすでに生産を始めた北西部カラチャガナク・ガス田などについて「(カザフの)資産として取り返す時が来た」と述べた。
(Ominoコメント)資源国がどんどん強くなります
「イラン、EU制裁発効前に欧州向け原油輸出停止も」ロイター2012年1月27日(金)6時27分配信
[テヘラン 26日 ロイター] イランは、欧州連合(EU)が制裁措置としてイラン産原油の輸入を全面的に禁止する前に、EU加盟国への輸出を停止する可能性がある。
「インドネシアが原油輸出停止を検討、輸出先 に日本も」ロイター2012年1月27日(金)4時24分配信
[ジャカルタ 26日 ロイター] インドネシアは国内需要の高まりを受け、原油輸出の停止を検討している。副エネルギー相が26日、明らかにした。ただ、停止する時期は示さなかった。インドネシアは原油を主にオーストラリア、中国、日本、韓国に輸出している。中銀の最新の統計によると10月の輸出量は日量約47万7000バレル。インドネシアが輸出を停止した場合、アジア地域の原油需給がひっ迫する恐れがある。副エネルギー相は記者団に対し「インドネシアは基本的に輸出より国内需要を優先する。需要が増大し、生産が減少していることから、原油輸出の停止を検討している」と述べた。
「イラン輸出差し止め、原油価格20−30%上昇の可� �性」ロイター2012年1月26日(木)4時23分配信
[ワシントン 25日 ロイター] 国際通貨基金(IMF)は25日、米国と欧州連合(EU)の制裁に反発しイランが原油輸出を差し止めた場合、世界の原油価格が20―30%上昇する可能性があるとの見方を示した。IMFは、20カ国・地域(G20)宛てメモで、イランへの金融制裁は、同国による原油の禁輸措置につながる可能性があり、日量約150万バレルのイラン産原油の供給が失われることを意味していると指摘した。
「日本 貿易赤字国に転落」NHK時論公論(2012年1月25日)。
(貿易赤字の主原因は原発停止によるLNG輸入増)
「イラン核問題とペルシャ湾」NHK時論公論(1012年1月23日)。
アメリカは空母2隻、イギリスは戦艦1隻をペルシャ湾� ��派遣。イスラエルは、イランの目的は核兵器の開発であり、イスラエルの存亡がかかった重大な脅威だとして、「あらゆる選択肢で対抗する」と繰り返し表明している。
「あらゆる威嚇行為にもかかわらず、イランも米国も、まだ全面対決を望んでいない」英エコノミスト誌 2012年1月21日号の記事
「恐らくイランは大幅な割引価格で、ほとんどの石油を中国やインドに売りさばけるはずだ。また、イスラエルのヤーロン副首相は、厳格な禁輸措置を求める西側の声は限定的なものかもしれないと考えているが、これは的を射ている。たとえサウジアラビアが積極的に石油を増産し、リビアの生産量が予想より早く回復したとしても、在庫に余裕がない状況は変わらず、どれだけ余剰生産能力があってもアジア� �需要にすぐさま食い尽くされてしまうだろう。」
出典:
この記事に関連するこのホームページ内の記事へのリンク
「ピークオイルとは」
「ウィキリークス公電暴露:サウジアラビアには価格高騰を抑えられるだけの原油増産能力はない」
「World Energy Outlook 2011とエネルギー白書2011」
「石油の用途」
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